
human with the new idea which lives in Ayabe
豊かな自然と個性溢れる人材を有する京都府綾部市の「上林」。これからの時代を生き抜くヒントを、ここから発信します。
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●鶏のいのちの声を聴く
大阪市出身の峰地幹郎さん(昭和21年生まれ)は、18年ほど前から綾部の「上林(かんばやし)」といわれる地で本格的な養鶏を始めた。
鶏は鶏舎内を自由に動き回れる平飼いだ。効率を優先することが多くなったこの国であえてそれと向かい合う。すべてを人間にあわせようとしてしまうなかで、峰地さんは1つの空間に何羽いたら、鶏たちはしあわせで平和なのか。そういったことも追求してきた。
ときどき、峰地さんは鶏たちを外に連れていき、散歩の時間をとる。鶏たちは思い思いのえさ(虫や草など)をついばむ。
峰地さんはそれをよく観察する。鶏たちがいま欲しているもの、身体が求めているものがわかるのだという。
鶏たちはとっても正直で、身体が、いのちが欲するものをついばんでいく。どんな栄養が足りなくて、それを食べているのか、峰地さんにはわかるらしい。私たち現代人は身体に聴くことをしなくなった。自分の身体さえも遠い存在になっているというが、ここには失いかけている何かがあるようだった。それは誰でもができることではない。流されず、信念をもった人ができる仕事を峰地さんは追求してきたのだ。
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●友として、声をかける
鶏舎に入ると、峰地さんは鶏たちに声をかける。いま、福祉の世界でも、教育の世界でも、キーワードになっている「声かけ」。
孤独になりがちなお年寄りやこころが揺れ動く年頃のこどもたちに、積極的に声をかけて、ふれあっていく。すると、心が開かれ、交流が生まれていく。
鶏たちに声をかける峰地さんを見ていたら、人も鶏も一緒なんだって思った。「大丈夫だよ」「どうしたの?」・・・とやさしく声をかけている。人間とか鶏とか、ボーダー(壁や境界)はなくて、いのちある生命として、同じように触れ合っていて、感動した。
急な訪問者に驚く鶏たち。峰地さんが「ごめん!ごめん!」と謝ってくれた。言葉は波動。あたたかい言葉はやさしく鶏たちをつつむ。鶏たちはそれに応え、やわらかな、あったかな卵を産むことだろう。
京都市に住んでいた頃、峰地さんはボランティアで京都・滋賀の福祉施設を人形劇でまわったそうだ。奥様も人形劇仲間。「声かけ」の原点はこんなところにある。
余談になるが、峰地さんはいまもときどきボランティアで、母子家庭等の子どもたちのクリスマス・パーティーでギターを弾いたりされている。
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