綾部に来て、2年目、米づくりをはじめた。田植え機、バインダー(稲刈り用の刈り束ねる機械)、耕うん機、脱穀機なども、もらったり、中古を手に入れた。機械も大型化し、みんな買い換えるとき、不要になった機械がもらえることが多い。「いらないかい?」って、親切に声をかけてくれる人もいる。「もっていけ」と。 「今年からはトラクターに乗り始めたんです!」と榊原さん。たくましい。どこにそんなパワーが秘めているんだろう。1人暮らしがそうさせるのか。彼女はやはり何かが違うのだ。 5反(50アール)の田を除草剤なしの無化学肥料でつくる。収穫した稲はすべて稲架(いなき)で天日干しをする。 「除草剤をやりたくならないですか?」って尋ねると、「毎年、入れたくなりますよ」と返ってきた。無農薬を志す。手間を惜しまない。けど、省力も試みたい・・・。みんな願いは同じなんだ。無農薬も天日干しも続けたいと願う。それが彼女にとって、超えてはならない一線なんだろう。 収穫できたお米は、友だちが経営する地元のレストランが30キロ12000円で買ってくれる。有難いことに、知人、実家等で即完売となる。 「田舎暮らしや農業が初めての人でも、米作りはオススメです」と榊原さん。山間部に入ると、小さな田んぼも多くて、そこからチャレンジして、面積を増やしていったらいいですよとアドバイスをくれた。小さくスタート、がコツだ。 綾部でも山奥では、イノシシや鹿が出て、年中、トタンで覆っている。動物たちもだんだん人間の世界へやってくる。里に下りてくる。ここにいると、いろんなものが見えてくる。時代の変化が、日本の変化が見えてくる。
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