
human with the new idea which lives in Ayabe
豊かな自然と個性溢れる人材を有する京都府綾部市の「上林」。これからの時代を生き抜くヒントを、ここから発信します。
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「農業だけで食べていけるのかい?」とまわりが気遣ってくれる。そして、「よかったら、新聞配達しないかい?」って紹介してくれた。いま、榊原さんは夜の9時に寝て、朝3時に起き、新聞配達の仕事もこなしている。
広域に点在する家々を毎朝、新聞を届ける。なんとその距離40キロ。走りまわる榊原さんのために、新たに新聞をとってくれたりする人もいるそうで、みんな孫子のようにかわいがってくれている。
すべてが清まる朝の静寂な時間が好きで、この時間じゃないと見つからないこと、生まれないアイデア、気づけないことってあるようだ。榊原さんにとって、朝はただの時間じゃないようだ。
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静かな榊原さん。人付き合いは得意なほうではない。田舎は付き合いもあるけれど、ここに住む人はみんな素朴でいいなあって思う。
田舎でも都会でもそうだけど、まわりと折り合いをつけながら、仲良く暮らしていく。でも、流されない。榊原さんのように信念がないと、21世紀は生きられないだろう。
ここは町よりも自分らしく生きられるところですと榊原さんは笑った。この地にひきつけられる理由を聞けば、「喧騒がなく、静かなところだから」という。それは、きっと自分の内なる声が聴けるところだからだろう。
うれしいことばかりではもちろんない。悲しいこともいっぱいあるが、それでもここは彼女にとって、どこよりも「イーハトーヴ(宮澤賢治の言う理想郷)」なのだ。
(文・塩見 直紀)

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